自分で貼るキネシオテーピング
(腓腹筋_筋膜横断テープ)
自分で貼って、筋の損傷の早期回復!
腓腹筋のキネシオテーピングに重ね貼りする筋膜横断テープです。
スポーツで、急激な動きの変化の際にふくらはぎを痛めてしまうことが
ありますが、この「痛い」という感覚はどこからきているのか?
筋肉線維そのものには痛覚を感じる神経は届いていません。
だとすると「痛み」を感じているのは?
原因は「筋膜」だと考えられます。
筋膜は筋線維一本一本を覆い、その複数のユニットである筋束を
覆っています。これらの筋膜の微小断裂が痛みの原因だと
考えられます。諸説ありますが、筋膜は筋が収縮する際に生じる
横断面積の増加を押さえ込む働きがあります。
わかりやすい例だと腰の脊柱起立筋を覆う筋膜(胸腰筋膜)が
挙げられます。人間が立っている状態では起立筋群は筋活動を
行っています。立位を保つために他の筋肉の要素も絡んできますが、
はたして起立筋群の働きだけで、背面の安定性を維持できる
のでしょうか?この胸腰筋膜の主な作用は起立筋群をしっかりと
「押さえ込む」ことであると1987年にAspdenという人物が論じてます。
これらの筋は収縮中、筋の横断面積を増加させます。
この拡張を筋膜が押さえ込むことによって、筋の「硬さ」と「強さ」を
30%くらいまで増加させることが可能になります。
この増強された「硬さ」が体幹の屈曲モーメントに対する筋の抵抗性を
増大させるようです。
つまり筋膜はただ筋を覆っているだけではなく、筋の活動を修飾し、
より筋のパフォーマンスを引き出す手助けをしてくれているのでは
ないでしょうか。
次に、横方向への筋収縮にともなう内圧が急激に高くなった場合、
筋膜はどのように“破れる”のか考えてみましょう。
(この表現が適切かどうかはわかりませんが、イメージしやすいように)
ここからは私の推測ですが、腓腹筋を考えた場合、筋膜の断裂方向は
縦方向だと思います。筋膜に対して左右に(横に)広がる力が
加えられると考えられるからです。ポテトチップスの袋を両手で
開けるような感じで筋膜は障害を受けるのではないでしょうか。
実は、この筋膜横断テープに関して、「なぜそのように貼るのか」という
理由を私も具体的に教わったことがないので自分なりに考えるしか
なかったのですが、いきついた答えはこんな感じです。
(異論反論オブジェクションはあると思いますが・・・)
縦方向に裂けたものをテープの伸縮率を利用して
閉じさせる(閉じる方向に力を加える)のが
このテーピングの目的だと考えられます。
ここからは更に推測ですが、人間の皮膚にはある一定方向に
結合組織(コラーゲン線維)が走行するランゲルラインというものが
存在します。ちょうど、ふくらはぎの部分を見てみると、走行は
縦方向になってします。
このラインもひょっとしたら関係あるのかも・・・と考えています。
どうなんでしょうね・・・
誰か教えてください・・・
貼られた感じは安定感が得られ、
しっくり感のあるテーピングだと思います。
1.採寸するときの起点
テープの採寸は、ふくらはぎを
「伸ばして痛い」「押して痛い」
部分をカバーする位置で行なう。
はかり始めは「腓腹筋テープ」の
内側Y宇テープの内側辺にテープの端辺を
合わせる。
テープが重ならないように、
緑と線を合わせるようにするのがコツ。
2.採寸するときの終点
そのまま横にテープを走らせ、
外側Y字テープの内側辺に
当たったところでテープを切る。
採寸における起点と終点の順序は
どちらでもよい。この例は
「右利きの人」にやりやすい順序であり、
本人のやりやすい方法を選択すればよい。
3.腓腹筋テープに重ねてスタート
テープの仮置きというステップはないので、
この段階でしっかり貼る。
テープの貼り始めは、外側Y字テープと
完全に重なるようにして貼るのがコツ。
その貼り始め部分はけっして伸ばさずに
「ただ貼るだけ」で、しっかり固定する。
4.50~75%の張力をかけて貼る
そこから終点に向かって50~75%の力で
引っ張りながら、「痛い部分」を
カバーするように貼る.
「50%のテンション」というのは、
キネシオテックスを最大限に
伸ばした分の半分の伸び率です。
5.腓腹筋テープに重ねて固定
テーピングの終点は、反対側の
Y字テープの上にしっかり
重なるようにもってくる。
テープを外側の緑までめいっぱいに
もってくれば、それがちょうど
「50~75%のテンション」となる。
ただし、外側の緑をはみ出さないように
注意すること。
6.2枚をずらし重ね貼りして完成
1枚目を張り終わったら、
その上に2枚目のテープを
半分ずらして重ねて貼り、
しっかりサポートする。
痛みの範囲が広い場合は
3枚重ねてもいいが、
痛みのない部分までカバーしてしまうと、
正しい筋肉の機能を損ねる場合があるので
控えたほうがいい。
前半の長い記述の割には簡単なテーピングでしたね。
この考え方を応用すれば、ハムストリングス、上腕二頭筋、
上腕三頭筋、大腿四頭筋 等の筋肉にも使えます。
注意点:これも靴下の着脱衣でやりやすいので注意してください。
臨床キーワード:腓腹筋の損傷、足のむくみ、足のつかれ等