腰痛のキネシオテーピングの貼り方
腹直筋のキネシオテーピング
一人でも貼れますよ・・・
腹直筋についてです
腰痛のキネシオテーピングとして、仙棘筋、腰方形筋、腰腸肋筋を
紹介しましたが、これらは身体の背面に貼るテーピングです。
今回から腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋と身体の前面に貼る
テーピングを紹介します。
なぜ腰痛なのにテーピングを身体の前面に施すか疑問を
持たれる方がいるかと思いますので簡単に説明します。
まず上半身を支えているのはどこか?
背骨?よく「身体の大黒柱は背骨である」と耳にしますが、
ここではこの考え方を脇に置いときます。
上半身を体幹から支えているのは腹筋です。
下の①の図を見てください。風船にある一方向から力を
加えた状態です。この加えられた圧力は
風船の内部で上にも下にも、どの方向にも加えられます。
そこで、①図の状態を身体の中にあてはめてみると、
②図のようになり、腹筋による体幹内部への圧力は
あらゆる方向に向けられます。当然上半身に向かって
上方へも力が加わります。この圧力の上に
上半身がのっかることにより、背骨(腰骨)への重力に
よる負担を軽減できることになります。
腹筋の支えがない状態が③図です。つまり上半身を
支える手段が背骨しかないため重力の負担が腰へ
掛かってしまうのです。
腰痛の時に用いるコルセットもこの考え方です。
外から圧力を加えてあげることで腹圧を高め上半身の
重みが全て腰に掛かるのを防いでいます。
コルセットは腰の傷みが軽減したら、使用しないよう
指示されますが、それは腹筋そのものがコルセットに
頼ってしまい長期間使用することにより
腹筋そのものが弱化してしまうからです。
その点キネシオテーピングは筋肉そのものを
賦活(出力UP)させる働きがあるので、長期の
使用になんら問題はありません。重度の腰痛の
場合は最初はコルセットを利用し、痛みが軽減したところで
キネシオテーピングを施す対応をお勧めします。
【貼り方】
一般の方は3.75cm幅を使用
(体格の大きい方は5cm幅でも構いません)
1、可能な限り、股の付け根に近い位置から基部を貼り始めます
(必要によっては毛を剃ってください)
2、へその横まで貼り、次に息を吸わせお腹を膨らませて
貼る部位の皮膚を伸ばします。
3、肋骨の中央に位置する剣状突起の少し上
(もしくは乳首の高さ)まで貼ります。
貼り終りが図のようにテーピングにしわができていれば
成功です。また、貼られた感じですが、身体の前面で
支えられている感触、腹筋の上に
上半身がのっかている感触を得られれば成功です。
テープは引っ張らずに貼りましょう。
(皮膚の上に置いてあげるイメージ)
注意点:貼る部位の皮膚を伸ばして貼ること!
貼った後、テープの上半身がなんとなくでも「のっかっている」感じが
得られれば成功!
臨床キーワード:急性/慢性腰痛、ギックリ腰