キネシオテーピングの独自性について
- 独自性を理解することが上達の近道です
激しいスポーツでよく使われるスポーツテーピングは「巻く」という
表現を使い、施した後は関節は「固定」された状態となります。
一方、キネシオテーピングでは「貼る」という表現を使い、施した後も
関節は「可動」状態にあります。
キネシオテーピングには「接着・伸縮・被覆」という3つの
キーワードがあります。またテーピングする際に意識すべき
大事なことが2点あります。
(1)持続性刺激を与える
(2)身体親和性を持たせる
(1)の「持続性刺激」とは、キネシオテーピングを長時間身体に
貼り付けておくことにより、やさしい刺激を持続的に身体に
与え続けることです。そのためには、いかに「接着」された状態を
長持ちさせるかがポイントになります。よってキネシオテックスを
きれいにカットする必要があり、切り口がジグザグになっていたり、
切り口の糸がケバ立った状態では剥がれやすくなってしまいます。
また貼った後は必ず手でこすり、摩擦熱で粘着度を上げることも
大事です。
ちなみに「プロは道具を選ばず」といいますが、ハサミだけは
よく切れるものを使用してください。
参考までに、私は「NEVANON(ネバノン)」というハサミを
使用しています。非常にキネシオテックスと相性がいいので
使用してみてください。
キネシオテーピングに携わるほとんどの方が使用しているのでは
ないでしょうか。
また(2)の「身体親和性」についてですが、当然、剥がれにくい
テーピングを施しても、貼った後に違和感があり、
皮膚のひきつれを感じるようでは貼られている側はストレスを
感じてしまいます。いかにテーピングと身体を一体化させるかが
ポイントになります。キネシオテックスの40%の「伸縮率」と
貼るときの相手の肢位が重要となります。
ここでよくみなさんが誤解することがあるのですが、
キネシオテックスはよく「伸びます」。しかし、
それは「テープを伸ばして貼る」ために設計されたのでは
ありません。
キネシオテーピングを施すことにより関節の可動域が大きくなります。
例えば、貼る前は40°くらいしか曲がらなかった膝が60°くらいまで
大きく可動域が改善したとします。テーピングは膝の前面に貼っている
ので、膝を改善した角度まで曲げていくと、テープそのものが伸びて
くれないと、皮膚が突っ張ってしまい、せっかく可動域が改善したのに
テープそのものが邪魔をしてしまいます。これだと意味がなくなって
しまうのはおわかりですよね。
テーピングの応用編でテンションを掛けるために、引っ張って貼る
手法もありますが、基本的には「改善した関節可動域を阻害しない」
為に、キネシオテックスは皮膚の伸長率に近い40%という値で
伸張できるように設計されているのです。
上記を意識してキネシオテックスを貼るのですが、「貼る」の言葉が
示すように、キネシオテックスを皮膚の上にのせるということは、
皮膚を「被覆」してあげることになります。
このことをキネシオテックスの「保護分割作用」と呼びます。
神経刺激の緩和・リンパ液の流れの改善の際には患部の
痛みに沿って貼り(保護)、筋肉のパフォーマンスUPの際は
筋肉の形に合わせて(起始・停止)貼ってあげます。
「分割」の示す意味は、狙うべき筋膜(筋肉)とそうでない
筋膜とを明確化するということです。
キネシオテーピングは上記のように、他のテーピング法にはない
独自性をもって、症状を改善させていく「自然療法」なのです。
少し読みにくい文章になってしまいましたが、みなさんも
キネシオテーピングを貼っていくうちに、
「ああ、このことを言ってるんだな」と気づいて頂けると思います。
以上