キネシオテーピングはどういう時に使うの?
- ホワイトテープやアスレチックテープとは違います。
「キネシオテーピングとホワイトテープとどう違うの?」
「キネシオテーピングはどういう時に使うの?」という質問を
よく聞きます。
「皮膚を介して、不調の身体状態を本来のあるべき状態に近づける」
ことがキネシオテーピングの目的だと私は考えます。
それも短期的な変化ではなく、長期的な変化(根本的な変化)を
意図します。これがホワイトテープとの違いだと思います。
ホワイトテープも「本来のあるべき状態に近づける」という意味では
同じかもしれませんが、短期的な効果を意図していると思います。
「足首が痛いがどうしても明日の試合に出場しなければならない」と
いう状況で効果を発揮します。しかしこれは一時的な効果でしか
ありません。試合が終われば、このテーピングは外されます。
腰が痛い→痛くない状態へ導く
(本来、人間は普段の生活で腰痛を感じない)
前屈で手が床につかない→柔軟性のある状態へ導く
(本来、床に接地できる程度の柔軟性は有している)
臨床家の方々にとっては「症状の改善」という表現になり、
トレーナーの方々にとっては選手のパフォーマンスUPとなります。
パフォーマンスUPと言っても100%の状態を125%まで引き上げる
ことはできません。なんらかの阻害要因の為に本来の筋出力を
出せない(筋膜の柔軟性低下等)状態を本来の状態にまで
持ち上げてあげるのです。また運動後の筋肉が過度に
使われた状態を本来の状態に戻す(クールダウン)にも使用します。
キネシオテーピングは「療法」であり、ホワイトテープのような
“簡易ギプス”のような使い方はされません。
下記の4点がキネシオテーピング協会が定義してい効果です。
①筋肉の機能を正しく戻す
・前述しましたが、なんらかの阻害要因の為に本来の筋出力を
出せない筋肉を100%に近い状態(本来の状態)へ筋膜を介して
導く。よって筋トレ前に鍛えたい部位に貼るとより効果的な
トレーニングができます。
・柔軟性のUPに役立ち、スポーツにおける怪我の防止効果が
期待できます。
・五十肩等の痛みによりその部位を動かせない状態が続くと、
「積極的にその部位をうごかさない自分」を作ってしまい症状の
悪化を招いてしまうということは多々あります。
例えば1週間の固定(不動状態)で柔軟性は20%もダウンしてしまい
器質的・機能的変化が生じるという報告もあります。
(コラーゲン線維の減少、クロスリンク異常、筋横断面の低下等)
キネシオテーピングで筋肉を動かしやすい状態を作り、積極的に
体を動かし、血流を良くして症状の改善を図ります。
・他には握力の低下時、腰痛時のコルセットの代用(腹筋群の賦活に
より)等の症状に使用する。
②血液・リンパ液の循環を良くする
・肉離れ、青アザの早期回復、歩き過ぎによるふくらはぎの張り、
むくみ 等々末梢血液循環の改善、リンパ液(間質液)の
回収能の改善
③痛みを抑える
・坐骨神経痛、上腕神経痛などの神経由来の疼痛、胃の痛み、
腱鞘炎 等々患部の被覆によるゲートコントロールを利用して。
④関節のズレを正す
・膝、肘の痛み、股関節痛、突き指 等々
(関節を動かす筋肉を正常な状態にすることによる二次的な効果)
関節には副運動というものが存在します。
(「転がり、すべり」という表現を耳にしたことがあると思います)
この副運動は骨の不随意運動です。つまり自分が意図して動かす
ことができません。この動きを可能にするのが、靭帯であり、
筋の生理収縮です。
『膝が痛い。でもX線撮影で観察しても原因が分からない』という
場合は、この副運動が障害されている可能性があります。
以上